Column お役立ちコラム

【人事向け】無自覚セクハラの境界線|善意や社内恋愛が招くリスクと対策

(2026年2月15日:追記更新)皆さん、セクハラ対策はしていますか?

「もちろんです。男女を問わず『さん』づけで呼んでいるし、身体接触も厳禁です。頭ポンポンなんて絶対しない。だから大丈夫」

そう考えている経営者や人事担当者の方は多いかもしれません。

しかし、セクハラの本当の恐ろしさは、問題の芽が「善意」や「プライベートな感情」という、一見ポジティブな場所に潜んでいることです。

本記事では、メンタルヘルスの専門的知見を交え、組織が陥りやすいセクハラの落とし穴と、事業者が取るべき防衛策について解説します。

なぜ「自分は大丈夫」と思う人が失敗するのか

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セクハラの定義

改正男女雇用機会均等法におけるセクハラの定義は、大きく分けて2つです。

1.対価型:性的な言動への対応により、解雇や降格などの不利益を受けること。

2.環境型:性的な言動により職場環境が不快となり、能力発揮に重大な悪影響が生じること。

ここで重要なのは、「被害者の主観」が重視される点です。

発信側に悪気がなくても、相手が「不快だ」と感じ、それが一般的な感性の範囲内であればセクハラは成立し得ます。

人の主観は他者がコントロールすべきものではありません。したがって、セクハラ被害を防ぐためには、

・「職場で性を連想させるような発言をしない」
・「職場では性別にまつわることを言わない」
・「業務上不可欠な場合を除き、身体に触れない」

というルールを徹底する必要があります。

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「自制できない系」の心理と対処法

しかし世の中には、相手の主観を察することが苦手で、性的な発言をしてしまう人が一定数存在します。

また、「さわるな」といくら言ってもさわる人が、残念ながら一定数存在します。

これは説教や説得、心掛けなどで改善されるものではありません。言ってみれば「習性」のようなものです。当人が「何とかしなければ」と強く決心しなければ改善は困難です。

このような「自制できない系」の人の特徴として、認知プロセスに大きな偏りがあることが分かっています。

人はある出来事を経験すると、脳のニューロンネットワークによって情報処理が行われ、その結果、次の行動を決めるための感情やイメージが意識に現れます。

「自制できない系」の人は、セクハラをしない人たちとは異なった枠組みの(性的な言動を善とする)感情やイメージが、意志とは無関係に生じていると考えられます。

現在のところ、人の認知プロセスを短期間で変える方法はありません。

唯一の解決方法は、「性的な言動は善である」というイメージに気づきながら、当人にとっては「善ではない行動」を取っていく訓練が必要です(このお手伝いをするのが心理療法です)。

そのためには、自分を変えたいという極めて強力な決意が必要なのです。

「自制できない系」のセクハラはどうしても起こってしまいます。起こる前提での対策が必要です。このようなセクハラは、マニュアルに沿って粛々と処理するしかないでしょう。

事業者にお願いしたいのは、「自制できない系」の人間を管理職に登用しないでほしいということです。

管理職は権力を持っています。権力を持つ人間が行うセクハラの破壊力は絶大です。近年定期的に報道されている、自治体の首長などによる長年にわたるセクハラ加害は深刻です。

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グレーゾーンの判断(飲み会、ボディタッチ、救命措置の真実)

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握手やハイタッチ

励ましの握手やハイタッチであっても、身体接触を不快に感じる社員は一定数存在します。

性的な意図など全くなく、ついねぎらいのつもりで肩を揉んだり、ハグをしたりすることも、相手が不快だと感じれば、セクハラと見なされる可能性があります。

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介抱のリスク

酔いつぶれた社員の介抱も、異性が行うことは避けるべきです。

善意の行動が後に「不適切に触られた」という訴えに繋がるリスクを考慮し、同性による対応、あるいは複数人での対応を原則とするのが組織としての防衛策です。

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救命措置(AED・心肺蘇生)への考え方

緊急時の救命措置については、多くの人が不安を感じる部分です。

「セクハラと言われるのが怖いから救助をためらう」という事態は、企業にとっても最悪のシナリオです。

法的には「緊急避難」や「正当業務行為」として、生命救助のためのやむを得ない接触は、基本的にはセクハラ認定されにくいと考えられます。

事業者は、「人命救助が最優先である」という方針を明文化しつつ、可能であれば同性が対応する、周囲に声をかけて複数人で処置を行うといった「現場のガイドライン」を整備しておくことが、社員を不安から守ることに繋がります。

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社内恋愛のリスク(上司と部下の関係がこじれる心理)

社内恋愛、とりわけ「上司と部下」という職務上の上下関係がある中での交際は、組織の安定を揺るがす極めて深刻なリスクを抱えています。

単なる「個人の自由な恋愛」では片付けられない、構造的な問題が潜んでいるからです。

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「支配―被支配」構造が招く同意の不確かさ

組織図の上で「評価する側」と「評価される側」である以上、二人の間には目に見えない強力な「権力の勾配(パワーバランス)」が常に存在します

上司側にそのつもりがなくても、部下側からすれば、誘いを断ることが「今後のキャリアへの悪影響」や「職場での孤立」への恐怖に直結してしまうのです。

たとえ交際当初は「本気の恋愛」であったとしても、二人の関係が冷え切ったり、破局を迎えたりした際、部下側の心理には大きな変化が生じます。

冷静になった部下が当時を振り返り、「本当は嫌だったけれど、上司だから逆らえなかっただけではないか」、「立場を利用されて断る選択肢を奪われていたのではないか」と捉え直した瞬間、その関係は「恋愛」から一転して「深刻なセクハラ問題」へと塗り替えられてしまいます。

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司法が認める「拒絶なきセクハラ」

近年の裁判例では、「交際中に明確な拒絶や抵抗がなかった」という事実は、必ずしも上司側の免罪符にはなりません。

裁判所は、部下が置かれた「心理的強制」を非常に重視しており、職務上の影響力を背景にした交際であれば、たとえ表面的には同意があるように見えてもセクハラと認定されるケースが急増しています。

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縁の切れ目がセクハラ問題の始まり

管理職には、「自分たちは大丈夫」という根拠のない自信を捨て、「上司と部下の関係において、完全に対等な自由恋愛は成立しにくい」という厳しい現実を教育する必要があります。

縁の切れ目がセクハラ問題の始まり」という言葉を組織の共通認識として徹底し、プライベートな感情が職務上の権力と混ざり合わないよう、厳格なバウンダリー(境界線)を引くことが求められます。

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トラブルの心理学(メンタル不調によるトラブルの仕組み)

セクハラ問題の中には、当事者のメンタルヘルスの課題が複雑に絡み合っているケースがあります。

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境界性パーソナリティ障害と対人関係

専門的な視点から注意が必要なのは、感情の制御や対人関係の構築に著しい困難を抱えるケースです。

例えば、境界性パーソナリティ障害の傾向がある場合、特定の相手を過度に「理想化」したかと思えば、些細なきっかけで激しく「こき下ろす」といった、不安定な行動が見られることがあります。

こうした特性を持つ人は、相手の優しさに過剰に反応して距離を縮めますが、思い通りにいかなくなると、相手を激しく攻撃(告発や脅迫)することで自分を守ろうとする「操作性」を見せることがあります。

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組織としての視点

これは容姿や性別の問題ではなく、「境界線(バウンダリー)の維持」の問題です。

管理職が部下とプライベートで過度に親密になることは、こうしたトラブルに巻き込まれる隙を作ることになります。

事業者は「管理職と部下は適切な距離を保つ」という風土を醸成しなければなりません。

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【自己診断】管理職向けセクハラ防止リスク管理チェックリスト

「自分は部下と良好な関係を築けている」という自信が、セクハラ問題では思わぬ落とし穴になることがあります。

以下の項目を管理職の方たちにチェックしてもらい、自身の行動が組織のリスクになっていないか確認してもらいましょう。

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チェックリスト

1. 身体接触と距離感のリスク
□励ましや労いの意味であっても、部下の肩や背中に触れることはない。
□「ハイタッチ」や「握手」など、身体接触を伴うコミュニケーションを習慣にしていない。
□会議室や車内などで、部下と二人きりになる際は、ドアを開けるなどの透明性を確保している。
□飲み会で酔った部下を介抱する際は、必ず同性のスタッフを同席させている。

2. 言動とコミュニケーションのリスク
□外見(髪型、服装、体型)や、プライベートな人間関係に関する質問を控えている。
□性別に基づいた役割分担(例:「女性だからお茶汲み」「男性だから力仕事」)を口にしていない。
□性的マイノリティ(LGBTQ+)に対する無意識の偏見や、不適切な冗談を排除している。
□相手が笑顔で応じていても、それは「立場上、拒否できないだけかもしれない」と自省している。

3. 公私の境界線(バウンダリー)のリスク
□業務時間外(深夜・休日)に、業務に直接関係のないSNSやチャットを送っていない。
□部下と二人きりで食事や飲みに行くことを、「部下からの誘い」であっても原則として控えている。
□特定の部下を特別扱いしたり、逆に過度に冷遇したりするような「感情の揺れ」を自制できている。
□「社内恋愛は自由だ」という考えよりも、「上司と部下の恋愛は権力構造上のリスクである」という認識が勝っている。

4. 救急・緊急時の対応
□職場でのAED使用や救命措置について、会社が定める手順(複数人での対応など)を把握している。
□「命を救うためなら何をしても許される」ではなく、「救命しつつ、相手の尊厳を守る(露出を避ける等)」という具体的スキルを理解している。

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診断結果の考え方

チェックがすべてついた方
→リスク意識が非常に高く、健全なマネジメントができています。

チェックが1〜3個外れた方
→無自覚な「グレーゾーン」に踏み込んでいる可能性があります。今のうちに言動を修正しましょう。

チェックが4個以上外れた方
→いつセクハラとして訴えられてもおかしくない高リスク状態です。早急に専門家の研修を受けるか、組織内での立ち振る舞いを見直す必要があります。

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事業者・人事担当者の方へ

このチェックリストは、管理職の「意識のズレ」を可視化するためのものです。

「自制できないタイプ」や「境界線が曖昧なタイプ」を管理職に登用し続けることは、組織にとって時限爆弾を抱えるようなものです。

もし、チェックリストの結果が芳しくない管理職がいる、あるいは具体的なトラブルの兆候がある場合は、心理的なアプローチを含めた専門的な対策が必要です。

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管理職向けセクシャルハラスメント防止ガイドブック
〜健全な職場環境と、あなた自身を守るために〜

手軽に使えるセクハラ防止ガイドブックを作成してみました。

このガイドブックは、管理職が「何がダメか」を知るだけでなく、「なぜそれがリスクになるのか」という心理的・構造的な背景を理解し、自身の身を守るためのバイブルとなるように構成いたしました。

社内配布用や、管理職研修のテキスト案として自由にご活用ください。

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序章~なぜ今、管理職に「厳格さ」が求められるのか~

現代の職場において、セクハラは「個人のマナー問題」ではなく、「企業の存続を揺るがす経営リスク」です。

特に権限を持つ管理職による言動は、たとえ善意であっても、その影響力(パワー)ゆえに深刻なトラブルへと発展しやすくなっています。

このガイドブックは、管理職の皆さんが無自覚な加害者にならないための「知識」と「境界線の引き方」をまとめたものです。

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第1章~セクハラの正体は「権力の不均衡」~

セクハラが発生する根源には、常に「立場の差」があります。

1.「拒否できない」という心理
部下にとって、上司からの誘いや言動は「評価」や「職場の居心地」に直結します。

部下が笑っていても、それは「同意」ではなく「防衛(やり過ごし)」である可能性を常に忘れないでください。

2.主観が基準
「自分はそんなつもりはなかった」という意図は、法的判断において重要視されません。「相手がどう受け取ったか」がすべてです。

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第2章~日常に潜む「グレーゾーン」の境界線~

職場での身体接触、飲み会、救命措置などはセクハラのグレーゾーンであり注意が必要です。

1. 身体接触の完全撤廃
・原則として、不可抗力を除き一切触れない。
・握手、ハイタッチ、肩を叩く、頭を撫でる、これらはすべてリスクです。
・「親しみやすさの表現」は、言葉と適切な態度のみで行ってください。

2. 飲み会と介抱のルール
・飲み会は「業務の延長」と捉えてください。
・泥酔した部下の介抱を、異性の上司が一人で行うことは厳禁です。必ず同性の社員に協力を仰ぐか、複数人で対応してください。

3. 救命措置(AED・心肺蘇生)
人命救助が最優先ですが、後々のトラブルを防ぐためにも以下の行動を推奨します。
①周囲に大声で助けを呼び、目撃者(証人)を確保する。
②可能な限り、同性の職員に協力を依頼する。
③救命後は、事実関係を正確に記録(報告)する。

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第3章~社内恋愛というハイリスク・ギャンブル~

管理職と部下の恋愛は、組織運営において最もコントロールが難しいリスクのひとつです。

1.交際中のリスク
周囲の社員が「えこひいき」を感じ、職場全体の士気が低下し、環境型セクハラを問われる可能性があります。

2.破局後のリスク
関係がこじれた瞬間、過去の同意があった行為すら「権力を背景にした強要だった」と主張されるリスクがあります。

3.管理職の心得
もし部下に対して真剣な好意を持った場合は、「どちらかが部署を異動する」、「一方が退職する」など、利害関係を完全に解消してから交際を開始するのが、プロフェッショナルとしての誠実な対応です。

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第4章~メンタルヘルスと「操作性トラブル」への防衛策~

稀に、自身の精神的な不安定さから、周囲を巻き込みトラブルを引き起こすケースが存在します。

1.境界線を越えさせない
特定の部下からプライベートな悩み相談を過度に受けたり、深夜の連絡に応じたりすることは、相手の依存心や操作性を高める原因になります。

2.特別扱いをしない
感情の起伏が激しい部下ほど、毅然とした態度で「職務上の関係」を維持してください。

3.一人で抱え込まない
「何かおかしい」と感じる言動がある場合は、すぐに人事や相談窓口に情報を共有してください。

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第5章~もし「加害者」だと指摘されたら~

万が一、部下や会社から指摘を受けた際の心得です。

①感情的にならない
逆上や自己正当化は、状況を悪化させるだけです。

②相手を非難しない
「あいつが誘ってきたんだ」といった発言は、更なる二次加害とみなされます。

③事実をありのままに話す
記憶を隠さず、誠実に対応することが、解決への最短距離です。

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終章~信頼されるリーダーであるために~

真のリーダーシップとは、部下が「安全・安心」を感じて働ける環境を作ることです。

性的な言動を排し、個人の尊厳を尊重する態度は、あなた自身の品格とキャリアを守ることにも繋がります。

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<管理職向け>セクハラ防止ケーススタディ
〜「善意」と「無自覚」が引き起こすリスクを考える〜

管理職が「自分ならこうしてしまうかもしれない」という危機感を持ち、当事者意識を高めるためのケーススタディを作成してみました。

実際の裁判例や心理的メカニズムに基づいた「正解のない問い」を投げかける構成にしています。

「こんな時、あなたならどうする?」という問いかけを管理職に投げかけることで、より自分事として捉えてもらえるようになります。管理職研修などで活用してみてはいかがでしょうか。

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【Case1】深夜のSOSとパーソナル・バウンダリー(心の境界線)

【状況】
部下のAさん(女性)から深夜に、「私生活でトラブルがあり、怖くて眠れません。少しだけ話を聞いてください」と上司のBさん(男性)の個人LINEに連絡がありました。

Bさんは放っておけず、電話で1時間ほど悩みを聞き、翌日も「大丈夫?」と優しく声をかけ続けました。

数ヶ月後、Aさんの情緒が不安定になり、Bさんが少し距離を置こうとしたところ、Aさんは「Bさんに深夜まで拘束され、精神的に追い詰められた」と人事に訴えました。

【ディスカッションのポイント】
・Bさんの対応のどこに「隙」があったのでしょうか?
・「部下を助けたい」という善意が、なぜハラスメントに転じるのでしょうか?
・この状況で、管理職として取るべきだった「正解」は何ですか?

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【Case2】救命処置とプライバシーのジレンマ

【状況】
オフィスで部下のCさん(女性)が意識を失って倒れました。周囲に人がおらず、通りかかった管理職のDさん(男性)が一人でAEDを使用。

救命のため上半身を露出させて処置を行い、一命を取り留めました。

後日Cさんは、命を救われたことには感謝しつつも、「男性であるDさんに上半身を見られたことがトラウマになり、Dさんの顔を見るのがつらい。出社できない」と配置転換を申し出ました。

【ディスカッションのポイント】
・Dさんの行動は法的・道徳的に非難されるべきものですか?
・命を救った後に「セクハラ的苦痛」を訴えられた場合、会社はどう対応すべきでしょうか?
・このような「不可抗力」のリスクを減らすために、事前にできる対策は何ですか?

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【Case3】「合意」の落とし穴

【状況】
管理職のEさんは、部下のFさんと1年前から交際しています。Fさんからの告白で始まり、デート代はEさんが出し、周囲からは仲睦まじいカップルに見えていました。

しかし、Eさんが昇進に際してFさんに「仕事に集中したいから別れたい」と告げた途端、Fさんは「上司の立場を利用して肉体関係を強要された。逆らえば居場所がなくなると思った」と弁護士を通じて慰謝料を請求してきました。

【ディスカッションのポイント】
・「当時は合意の上だった」というEさんの主張は、裁判や社内調査でどこまで有効だと思いますか?
・第三者から見て「自由恋愛」か「権力による強制」かを判断する基準は何でしょうか?
・管理職が部下と交際を始める際に、絶対に守るべき「一線」とはどこですか?

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ガイドブック&ケーススタディの活用アドバイス

これらの資料は、単に読ませるだけでなく、「少人数のグループワーク」で議論させるのが最も効果的です。

1.直感を発表させる: まず「自分ならどうするか」を話してもらいます。

2.専門的視点を加える: 「心理的依存」や「権力の構造」といった今回学んだ視点を提示します。

3.会社のルールを再確認する: 最終的に、自社の相談窓口や報告ルートを確認して締めます。

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まとめと対策(会社としてどう防ぐか・相談窓口へ)

セクハラ対策は、単なるマナー教育ではありません。以下の視点が人事部門にとって重要となります。

①管理職登用の慎重な検討
権力を持たせる人間が、自制心と適切な対人距離を保てる人物かを見極める。

②リスクの可視化
善意の救命措置や社内恋愛が、どのような法的・心理的リスクを持つかを教育する。

③相談窓口の機能強化
問題が深刻化する前に、第三者が介入できる体制を整える。

セクハラは加害者・被害者だけでなく、会社の社会的信用も破壊します。少しでも不安を感じる事案があったり、組織づくりにお悩みの際は、ぜひ当事務所のセクハラ研修をご検討ください。

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投稿者プロフィール

松村 英哉
松村 英哉精神保健福祉士/産業カウンセラー/ストレスチェック実施者資格/社会福祉施設施設長資格/教育職員免許
個人のお客様には、認知行動療法に基づくカウンセリングを対面およびオンラインで提供しています。全国からご利用可能です。

法人向けには、メンタルヘルス研修やストレスチェック、相談窓口の運営を含む包括的なサポートを行い、オンライン研修も対応。アンガーマネジメントやハラスメント研修も実施し、企業の健康的な職場環境づくりを支援します。