Column お役立ちコラム

メンタルヘルス研修の目的と意義|効果的な研修の種類と内容について

メンタルヘルス研修とは、心の健康について理解したうえで、心の健康を保つ方法を実践するための教育活動です。

しかし、心の健康について正しく理解することはとても難しいものです。

そこでこの記事では、正しい理解のためのメンタルヘルス研修について解説したいと思います。

メンタルヘルス研修とは何か

心の健康を理解するには、まず心について理解しなければなりません。

心についての一般的な理解は、「愛や希望、あるいは憎しみや苦悩などが詰まった、本当の私のありか」ではないでしょうか。

しかし、心の健康を理解するうえでは、「進化の過程で遺伝的に決定された神経ネットワークによる情報処理」から心を理解しなければなりません。

この捉え方の違いに、心の健康を伝える最大の難しさがあります。

そこで、松村メンタルサポート事務所が提供する研修では、従来からある精神医学、精神病理学、臨床心理学にとどまらず、神経科学(いわゆる脳科学)、行動遺伝学、進化生物学、進化心理学など、最新の科学も駆使して、より納得感のある研修になるよう努めています。

メンタルヘルス研修の目的

メンタルヘルス研修を行う目的は、「メンタルヘルス不調を未然に防止すること」です。

「えっ?それってストレスチェックを受ければいいんじゃないの?」

そう思った方は、なかなかの専門家です。はい、どちらも目的は同じですね。しかしアプローチの方向性がまるで異なります。

ストレスチェックは、「自分のストレス状況を知ること」です。一方メンタルヘルス研修とは、「どのように対処するか」を知るものです。

すなわち「現状認識のツール」がストレスチェックであるのに対して、「実践方法を理解すること」がメンタルヘルス研修ということになります。

実践方法を理解するためには仕組みを理解しなければなりません。よってメンタルヘルス研修とは何かというと、「心の健康を科学的に分かりやすく理解すること」といえるでしょう。


※ストレスチェックについて詳しく知りたい方は、「お役立ちコラム|ストレスチェック」も併せてご覧ください。

メンタルヘルス研修を行う意義(実施する価値)

世間でよく言われているメンタルヘルス研修の意義は、「生産性の向上」と「離職率の低下(人材確保)」です。

しかし、私は経営コンサルタントではないので、メンタルヘルス研修を「生産性の向上」と「離職率の低下」といった側面からは見ていません。

あくまでも「心の健康を健やかに保つこと」に、徹底的に重点を置いています。

心が健康であれば幸福感が高まります。そして幸福感が高い職場は生産性が高く、離職率が低いことが証明されています(Teresa Amabile,Steven Kramer,2017)。

効果的なメンタルヘルス研修の結果として、必然的に「生産性の向上」と「離職率の低下」は実現していきます


※従業員の幸福感と生産性の関係について知りたい方は、こちらもぜひご覧ください。

研修の種類と内容

労働者の心の健康を語るとき、その範囲はとても広いものになります。年齢層は10代後半から60代以上で、ライフステージが全く異なる人たちが対象となります。

また、メンタルヘルス不調は通常、「個人要因」と「環境」の相互作用で発症しますが、その個人要因はまさに人の数と同じだけ存在します。

遺伝要因がとても強い方は、環境の影響をほとんど受けずにメンタルヘルス不調に陥りますし、ストレス耐性と環境との絶妙な噛み合いで発症することもあります。

そのため、メンタルヘルス研修の内容はとても多岐にわたると考えて良いでしょう。以下にメンタルヘルス研修の種類と簡単な概要についてご紹介します。

メンタルヘルス研修(総論)

全従業員を対象とした基礎研修です。

メンタルヘルスを理解するために必須となる知識を広く理解していただく研修です。

主な内容の例
◇心とは何か(意識と感情と行動のメカニズム)
◇メンタルヘルス不調とはどういう状態か
◇精神疾患の基礎知識(原因と治療)
◇誰もが知っておくべき対処法の基礎 etc.

セルフケア研修

セルフケアとは、一人ひとりが、自分自身で行うメンタルヘルスケアのことです。

こちらも全従業員に向けた研修です。

セルフケアを行う上で最も問題となるのは、「セルフケアを実践しないこと」ではなく、「セルフケアを行う状態にあることに気づけないこと」です。

なぜ気づけないのかというと、私たちの脳が持つ宿命的な特性のためです。

実践のためのセルフケア研修とは、この自己矛盾に陥ってしまう脳の特性をしっかりと理解することが必須となります。

主な内容の例
◇ストレスとは何か
◇ストレスと生体反応の仕組み
◇ストレス反応はなぜ生じるか
◇脳が予測する脅威レベルと現代の脅威レベルとのミスマッチ
◇メンタルヘルス不調への対処法 etc.


※セルフケアの詳細は、「メンタルヘルスとセルフケア|心の健康を向上させる方法と改善効果」をご覧ください。

ラインケア研修

この研修は、管理職または管理職候補の方に受けていただく研修です。

私は、職場で生じるメンタルヘルス不調の予防に最大の効果を発揮するものがラインケアだと考えています

厚生労働省が発表している一般的な内容のほかに、管理職が部下のメンタルヘルス不調に強い影響力を持つことを解説します。

また、部下の心の健康に配慮するべき管理職自身が、部下のメンタルヘルス不調の原因にならないための心構えについてもお伝えします。

主な内容の例
◇管理監督者が行うラインケアとは
◇ラインケアの目的と意義
◇安全配慮義務の履行について
◇上司がストレス原因という矛盾にどう立ち向かうか etc.


※ラインケアの詳細は、「職場のメンタルヘルス|ラインケアとは?目的と管理職の役割について」をご覧ください。

パワーハラスメント研修

職場のハラスメントにはたくさんの種類がありますが、メンタルヘルスに最も悲劇的な影響を与えるのは何といってもパワーハラスメント(パワハラ)です

私は、日本の労働現場から、パワハラが一掃されることを強く願っています。

研修では、パワハラ防止法の中身にも当然触れますが、この研修の本当の狙いを一文で表すと以下のようになります。

深刻なパワハラ上司をゼロにすることは困難だが、パワハラ被害によるメンタルヘルス不調者はゼロにしなければならない

主な内容の例
◇精神疾患につながるパワハラの実態
◇深刻なパワハラを行う人の精神構造
◇被害者の具体的な対処法
◇加害者への具体的な対処法 etc.

なお、パワハラ研修を受けていただきたい対象者として、管理職だけではなく全従業員をお勧めしています。

なぜなら、管理職だけを集めて、「これこれこういうわけなのでパワハラは絶対にやめましょう」という研修をしても、最も悲惨なパワハラ被害はなくならないからです。


※パワハラ研修の詳細は、「職場のハラスメント|パワハラ被害をなくす効果的な研修について」をご覧ください。

※セクシャルハラスメント研修も実施しています。セクハラの詳細については、「勘違いでは済まない?善意と社内恋愛に潜むセクハラの落とし穴」をご覧ください。

コミュニケーション研修

職場におけるコミュニケーション(情報の送信と受信)は、とてもとてもとても重要なものです。

なぜこんなに強調するのかというと、仕事が原因でメンタルヘルス不調に陥る方のほとんどが、コミュニケーションにおける不合理を経験しているからです。

これは、コミュニケーションが苦手という性格的なものではなく、高ストレス下での脳の情報処理レベルでの不合理な経験です。

松村メンタルサポート事務所が提供するコミュニケーション研修は、経営行動学、組織心理学、ポジティブ心理学、ウェル・ビーイング研究などの最新の知見に基づき、より良い職場のコミュニケーションについて理解を深めていただきます。

主な内容の例
◇より良いコミュニケーションを再定義する
◇職場のコミュニケーションの目的(情報の取得と業務の進捗)
◇コミュニケーションはフォームではなく目的である
◇私たち労働者は感情によって行動が変化する生身の人間である etc.


※職場のコミュニケーションの詳細については、「職場のコミュニケーション|活性化の課題と生産性向上を図る工夫」をご覧ください。

新入社員向けメンタルヘルス研修

メンタルヘルス不調は、行動が不合理になっていることに気づかないまま進んでいくという特徴があります。

したがって、新入社員の段階で、心の健康とメンタルヘルス不調のメカニズムについて学ぶことはとても重要です。

治療が必要なほどのメンタルヘルス不調に陥ると、回復(正確には寛解と言います)しても、集中力や思考力、外界への適応性やストレス耐性が完全に元に戻ることはありません(完治はしません)。

次はもっと短い期間で、もっと低いストレスで、メンタルヘルス不調に陥るようになってしまいます。

社会に羽ばたいた初期の段階で、心の健康の保ち方について知ることはとても意味のあることだと考えています。

主な内容の例
◇心とは何か(意識と感情と行動のメカニズム)
◇メンタルヘルス不調とはどういう状態か
◇メンタルヘルス不調を測って知る方法
◇相談の仕方 etc.

求められる研修とは|メンタルヘルス研修の狙い

メンタルヘルス研修の対象者とは組織を構成する全ての従業員です。

私の経験による大まかな参加者の内訳は、メンタルヘルスに関心のある方が約2~3割で、残りの約7~8割は、メンタルヘルスに興味がないか、或いは、忙しい中で研修に参加しなければならず内心イライラしている人たちで占められています。

メンタルヘルスに関心がある方は、乾いたスポンジが水を吸収するように知識を吸収してくれます。

問題は、残り7~8割の仕方なく研修に参加している方々です。

こういう方たちにも興味を持ってもらうために、心というものを科学的に論理的に説明することを心掛けています

だからといって難解な説明では眠気を誘うばかりですので、楽しく、興味深く、納得感のある研修となるよう留意しています。

心やメンタルヘルスに興味をもってくれる方が一人でも増えるように、さらに、次回また参加してみようと思われる研修となるように、日々努めています。

実践に移すには研修後のフォローアップが必須

メンタルヘルスの知識はとても広範囲にわたるもので、対処法もとても個別的なものです。

研修だけでは伝えきれないことが必ず生じます。一人ひとり異なる個別の問題に対処するためには、研修後のフォローアップが必要です

松村メンタルサポート事務所では、研修後に気軽にお問い合わせいただける個別の相談窓口を設置しています(研修を受けていただいた方はもちろん無料です!)。

個別の問題に対処するためにも、知識を実践に移すためにも、研修後のフォローアップ窓口をぜひご活用ください。

まとめ

当事務所が行っている研修について解説してきました。

もしメンタルヘルス研修の実施を検討しているのであれば、当事務所を候補に入れていただけると幸いです。

ここに紹介したものはあくまでも一例です。

項目をまたいで組み合わせたり、職場の事情に合わせて内容を細かく変更したりすることも可能です。ぜひお気軽にお問い合わせください。


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松村メンタルサポート事務所

代表:松村 英哉(まつむら えいや)

個人のお客さまに認知行動療法にもとづくカウンセリングを行っています。オンラインで対応いたしますので、全国どこからでもご利用いただけます。

法人のお客さま向けにはメンタルヘルス研修、ストレスチェック実施者業務、従業員の相談窓口などの、職場のメンタルヘルスを総合的に支援するサービスを提供しています。

こちらもオンライン対応が可能ですので、首都圏に限らず全国にサービスを提供いたします。

ストレスチェックに関する研修に加え、アンガーマネジメント研修、ハラスメント研修なども行っています。対面方式はもちろん、オンラインでの研修も承ります。▶詳しくはコチラ

保有資格
 精神保健福祉士(登録証番号:第20949号)
 産業カウンセラー(合格証番号:S0605857)
 ストレスチェック実施者資格(受講番号:SCKOTO15111012号)
 社会福祉施設・施設長資格(修了番号:14A2-0486)
 中学校教諭1種免許状・社会(免許状番号:平13中1第20105号)
 高等学校教諭1種免許状・公民(免許状番号:平13高1第21175号)
 高等学校教諭1種免許状・地理歴史(免許状番号:平14高1第22856号)